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4つの重要な質問

管理を計画するにあたって

著者: フィル・バートル教授

和訳:益子かさり


Gert Lüdekingさんに捧げる

ワークショップ用の配布資料

私たちは何が欲しいのでしょう?
何を持っているでしょう?
持っている物をどうやって使って、欲しい物を手に入れればいいでしょう?
その結果、何が起こるでしょう?

管理と計画における要点

管理(活動としての)とは意思決定をして問題を解決することです。管理と計画における重要な決めごとは、4つの質問に答えることで見つかります。

それらの4つの質問とは「1. 私たちは何が欲しいのか、2. 何を持っているのか、3. 持っている物をどうやって使い、欲しい物を手に入れればいいか、4. その結果何が起こるか」です。注意深く見てみると、これらは企画計画書類やブレインストームで使われる質問と同じだということが分かります。

もし問題が起こってから観察・解決すれば、それは「危機においての管理」です。それは全く管理を行わないよりは、まだマシです。それに対し、はっきりした目的を明らかにし、その目標を達成するための行動を明らかにすれば、それは「目的による管理」です。起こりえる問題が予期され、それが起こる前に解決方法があらかじめ設定されます。「目的による管理」の方が「危機においての管理」よりも効率的で心的ストレスが少ないです。

強化されるべき集団の規模が大きくても小さくても、それが組織という明らかな構造をとっていようと、または共同体というあいまいな構造をとっていようと、4つの質問を提示しそれに答える方法を採用すれば、その集団の容量は増やされることができます。

もし問題というものが存在しないなら、管理の必要はないことになります。問題は常に存在します、それが人生です。管理の仕事は、管理人だけに任せるのには責任が大き過ぎます。それは全員の責任であるべきです。ですから、全員が4つの質問を知っている必要があります。そして全員がその答えを出すのに参加するべきなのです。

何が欲しいのか?

私たちが欲しい物を問う質問は、つまり「解決すべき主な問題とは何か?」ということです。その質問はおおまかな目標を定義するのに役立ちます。その答えを詳しくすることで細かい目標を設定することができます。地理的な例えでは、「私たちはどこへ辿り着きたいのでしょう?」という質問になります。

組織や共同体は、それが求めるものの構想を共有する必要があります。その答えは物理的な所有物(公衆トイレや発電所)に限りません。集団の全体の改善につながる目標(新しい法律、市民の姿勢を変えること、市民の間の意識を高めること、習慣を変えること、新しい組織の構造、商業組織の収入の増加、労働組合員の時給の増加、非営利団体の運営方法を変えること)なら、何でもいいのです。

当たり前ですが、企画・計画の書類の全てで、目標・目的が明示される必要があります。しかし、それらの目標は、集団・共同体・組織の市民全員から支持されなければなりません。

共同体管理訓練において「何が欲しいのか」の質問は共同体の市民全員が団結して答えてもらう必要があります。つまり「男性だけ」「学歴の高い人だけ」「関係者だけ」が出した答えではなく、共同体の世論に基づく必要があるのです。

何を持っているか?

「何を持っているのか」の質問は、目標の達成に利用できる資源を明らかにするのに使われます。地理的な例えでは「今どこにいるのか?」です。つまり現在の状況を観察・議論・分析する必要があるのです(状況分析)。つまり、全ての資源と制約、財産と借金(予測と現状の)、そして信頼できる「状況の全体像」を明確にするのです。

共同体管理訓練では、この確認の作業はミーティングを開いて、口数の少ない人々にも参加を促して行うのが望ましいです。なぜならどの共同体(とても貧しい共同体にさえ)にも多くの資源が隠されているからです。訓練士はミーティングを助成することで、隠された資源を発掘するのを手伝うのです。

労働・専門的な知識(活動に役立てられる人的エネルギー)、(活動に使われる)土地・スペース、(稼がれた/寄付された)金銭などが資源に含まれます。他にも、繰り返し利用できる道具、年寄り・退職した人・身体が不自由な人・社会から追放された人の精神活動(知恵・情報・能力・経験・分析力・創作力)が挙げられます。多くは当たり前であるために見過ごされがちなのです。

状況分析とは、注意深い完璧な現状の観察と、「目標達成に貢献し得るもの」の判断、「目標達成を阻害し得るもの」の判断です。

持っている物をどうやって使って、欲しい物を手に入れればいいでしょう?

「持ち物をいかに使うか」の質問は、管理における「作戦」の部分です。A地点からB地点まで、どうやって辿り着くか。大抵、資源を組み合わせる方法は複数あるので、共同体の精神的資源(上記)の集大成を利用し、それら複数の作戦を明らかにし、最も適切なものを判断するのです。

訓練士に誘導されながら集団が作戦(活動計画の一部)を練ります。文書化された計画は4つの質問への答えを含んでいる必要があります。この仕事において創作的で斬新な分析を必要とする部分とは、いくつかの可能な作戦を作り、その中から最も良いものを選ぶことです。

これは意思決定・活動のための組織(再)編成の機会です。 組織化を参照。もし集団が組織化されていない個人の集まりなら、作戦には「設定した目標を達成するために効果的に組織化する方法」を含んでいる必要があります。

集団・組織・共同体がすでに組織化されているなら、市民は(訓練士に手伝ってもらいながら)「この組織の構造は目標達成に最も効果的か、構造・作業の改善が必要か」自問自答します。管理訓練を使っている共同体訓練士にとって、これは共同体が欲しい物の取得に最適な構造に変形されるよう誘導できる機会です。

それを手に入れれば、何が起こるか?

活動をする前に、その活動による影響をおおまかに予測することが大事です。もちろん予期せぬ結果が招かれる可能性もありますが、望まれない結果を防ぐためにも、予期できる結果を出来るだけ予測する最大限の努力がされるべきです。

ここは集団が監視の重要性について意識すべき部分です。目を閉じて自転車に乗るべきでないように、活動計画には、行動と結果の観察が記録(集団全体に報告するため)されているべきです。

「それを手に入れれば、何が起こるか」の質問は、活動の影響の予想です。それを拡張して、「共同体とその周囲にどんな影響があってほしいか」という質問にしてもいいです。それは監視と評価を計画する指針となるでしょう。

結論:

これらの4つの質問は、フィールドワーカー(現地で活動する人)が集団を組織(再)編成するための枠組みとして利用されるべきです。4つの質問は同様に管理トレーナーがチームを組織(再)編成するのに利用されています。コーディネーターはそれをフィールドワーカーのチームを組織するのに利用できます。それらは総じて管理の容量・集団の能力を発達させる枠組みとなります。

共同体管理訓練では、共同体全体が優先目標を決めるためにミーティングに出席している際に、これらの重要な4つの質問を提示するべきです。またCBOの執行委員会が市民を代表して詳しい活動の決めごとをするために集まる際にも、再度4つの質問を提示すべきです。注意深く見ると、2つの付録(「ブレインストーム作業」と「企画デザインのガイドライン」)にも4つの質問が隠されているのが見られます。

貿易組合の組織編成においても、大企業の執行部の会議においても、貧困にある共同体の強化と容量増加においても、これら4つの質問は管理においての重要な事項を組成します。

これは管理人のための管理訓練ではありません。
これは皆のための管理訓練です。

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© コピーライト 1967年, 1987年, 2007年 Phil Bartle
ウェブデザイナー Lourdes Sada
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最終更新日:2011年10月27日

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